話題はどちらでもなく、真ん中
“世の中は頭の悪い人が中心になって動いてるんだね”と、ポロッと知り合いに言ったら反応がすごかった。
自分のこの言葉の真意としては、例えば天才が凡人には認められずむしろ異物として扱われ、秀才は好まれる。結局のところ凡人が異物と判断するかどうかの違いでしかなくて、それを判断する権利を持っているのは人類のほとんどを占める凡人。一度判断されたらその判断を覆すことはほとんど無理だと思ってもいいほどのもので、裁判官もびっくりするような絶対性がある。
こっちはこの考え方について話がしたかった。反対ならどうしてか、そもそもこの考え方に矛盾があるのか。賛成ならそう思う理由、実際にあった例なんかを話してくれれば、1つの話題になると思った。
相手の反応は予想の遥か斜め上で、「そういうお前は頭良いのか」だとか、「こっちが頭悪いって言いたいのか」みたいなコメントしかしてくれなかった。
いや、お前誰だよ。
自分の話でもあなたの話でもなく、もっと世間話のつもりで考えてよ。
「あそこの田中さん、結婚した相手は大企業の社長さんですって。」
「結婚してない私をバカにしてるんですか?」
みたいな反応しちゃってる。
振り返ってみると頭の悪い人っていう言葉が良くなかったのかなとは思う。分かりやすい言葉を選ぶとああなったんだけど、もっと凡人だとかそういう表現でオブラートに包めばよかったのかな。
こちらとしては頭悪いみたいな、少し棘のある言い方をすることで、「嫌な世の中だね」っていう感じを伝えたかったんだけど。
バカって言葉はあまり好きじゃないし刺々しすぎると思ったけど、バカって言った方が分かりやすかったのかな。
それでも、相手とか自分とかじゃなく、お互いの間に話題を置いてるって気付いてほしかった。